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引渡と貸渡

ゼミ員から、引渡と貸渡の違いについて聞かれました。
不正競争防止法2条1項1号、2号では引渡なのに、3号では貸渡なんですよね。
これ、戸惑う人も多いんじゃないでしょうか?

引渡は貸渡の上位概念です。
引渡は、占有を移転すること、狭義には現実に物を渡すことを言います。
典型例は、買った商品を受け取ることです。
一方、貸渡とは、後で返還する約束を付して物を渡すことを言います。
典型例は、図書館が利用者に本を貸すことです。

なぜ、1号2号と3号とでは、このような違いがあるのでしょうか?
ボクは、1号2号は商標法的な規定だが、3号は意匠法的な規定だから、と習いました。
確かに条文を読むと、商標法2条3項では引渡が、意匠法2条3号では貸渡が、それぞれ使われています。
これが本当に正しいのかは分かりませんが、暗記する便法としては十分でしょう。
ただ、意匠法と商標法はどうして違うの?と新たな疑問も沸きますが(笑)。

ちなみに田村「不正競争法概説」には、
「特許法2条3項に倣い、譲渡や貸渡を伴わない単なる引渡(倉庫業者への寄託等)だけでは規制の対象とされていない。
需要者と取引をすることにより利益を実現するという機会をいまだ行使していない以上、規制するに及ばないと判断されたのである。」
と書かれています。
他にも、どっかで、
「引渡だけでもダイリューションやポリューションが起きる可能性があるので、1号2号では引渡と規定してある。」
みたいな説明を読んだ記憶があります。

いずれにせよ、深入りは避けた方が無難ですね。
たかが不正競争防止法なので。
それでは皆さん、択一の勉強、頑張ってください。

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弁理士試験」カテゴリの記事

コメント

引き渡し=保護法益が公益
貸し渡し=保護法益が私益

で理解しています。

公益的見地←→私益的見地
引き渡し←→貸し渡し
不2条1項1号2号←→3号
商←→特実意

ohironzさん、こんにちは。
なるほど、商標権は品質保証機能など、公益的な側面もあります。
だから、こういう考えも成立しますね。
妙に納得しちゃいました。

貸し渡し→特許法での物の発明の実施、
意匠法での意匠に係る物品の実施、
実用新案法で考案に係る物品の実施
商標法での役務の提供で利用される物であって貸し渡す物に標章を
付すること
(物の発明、意匠に係る物品及び考案に係る物品は使用されて発明、意匠及び考案の独創的な機能又は性能が発揮される。発揮される独創的な機能又は性能こそが、保護される利益となる。貸し渡しすることは、借りた者が必然的に使用することを目的としている。使用により発揮された機能又は性能を保護するために、貸し渡しを規制する。)

引き渡し→商標法の標章を付した商品の使用
不正競争防止法での商品等表示した使用した商品
(商取引として商品が取引業者から消費者に転々と流通することで、業務上の信用が形成される。業務上の信用こそが、保護される利益となる。この業務上の信用を保護するために、引き渡しを規制する)

他人の商品の形態の模倣した商品(不競第2条第1項第3号)
商品化のために資金及び労力で開発した個性的な商品の形態が、模倣されることを防止することを趣旨とする。

商品に化体した個性が創作性を有すれば、高度な創作性でもって意匠法又は創作者の感情若しくは思想の表現であれば著作権法で保護される。
個性的な商品が流通して商品表示性を獲得したならば、立体商標として商標法又は不正競争防止法での商品等表示若しくは著名表示として保護される。

しかし、これらに該当しない場合、他人の商品の形態を完全に模倣しても、被害者はこのような模倣を差止めることはできない。これでは、商品形態に個性的な開発することとそれに伴う新たな市場開拓の意欲が阻害される。

商品開発において、商品の機能又は性能を向上させた結果、その商品に個性的な形態が現れる場合がある。形態に個性的な商品が使用されれば、その商品の向上した機能又は性能が発揮される場合ある。意匠と同様に、発揮される向上した商品機能又は商品性能も、保護すべき利益である。

したがって、貸し渡しは使用を目的としているので、貸し渡しを規制する。

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