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意匠の分割

今回は意匠の分割について。
例えば、ライト部aを含む車の全体意匠Aの出願αをしたとします。
この場合、出願人は、ライト部aの部分意匠や部品の意匠を出願αから分割して出願できないのでしょうか?
審査基準には、できない、と書かれています。
また、判例も否定しています(額縁事件)。
でも、認めても良いんじゃない?と思っちゃうわけですよ。

出願αには、ライト部aが全体意匠Aの中に創作として重畳的に表れていると理解できると思うんです。
だったら、出願人には、新規の創作であるライト部aを公開した代償として、ライト部aについての権利化の途があっても良いと思います。
ちなみに特許法では、上述の理由により、請求項以外に記載の発明についても分割を認めています。

ただ、特許庁は、あくまでも分割は7条違反の救済規定というスタンスなんですね。
でも、個人的には、これには引っかかりを感じてしまって。
だって、7条違反というレアケースのためだけに、わざわざ意匠法が10条の2と言う規定を設けてると考えるのは不自然です。
だったら、様々な権利取得の途を開くべく、もっと柔軟に10条の2を解釈しても良いんじゃないかと思ってしまうわけです。

また、否定説の論拠として、「こんな分割を認めると、出願人は出願後の第三者の動向を見て狙い撃ち的な分割を行い、第三者に不測の損害を生じさせる危険がある」とも主張します。
でも、特許法では、まさにそのような分割を認めてるわけです。
そして、第三者が不測の損害を受けて大変という話は聞きません(もし、あったらゴメンナサイ)。
意匠の場合、早ければ出願後6ヶ月以内に登録になるんだから、このような濫用的分割のリスクをことさら問題視する必要もないでしょう。

まー、分割を認めるのは、運用全体とのバランスもあり、難しいとは思うんです。
例えば、ライト部aの部分意匠の分割を認めるのって、要旨変更補正として禁止されている全体→部分の補正を認めるのに等しいです(ボク個人としては、このような補正を認めても良いとは思うのですが)。
また、その気になれば、ライト部やタイヤ部や窓部や・・・と大量に分割できちゃいます。
これも何か問題がありそうです。

意匠を出願するときは、どの範囲で部分意匠を登録しようか、随分と悩みます。
製品が出来上がっており、数日後には発表会なんてシチュエーションも少なくないです。
そんなとき、後日、全体意匠の出願を分割して部分意匠や部品の意匠を登録できればなーと思うのは普通でしょう。
お客様からも、よく分割の可否について聞かれますし。
つまり、ニーズはあるんですよ。

ちなみにこの論点ですが、否定説が優勢ですね。
もっとも、マイナーな論点らしく、議論らしき議論はなされていないのが実情です。
やっぱ、意匠出願は少ないから・・・。
もっと議論されても良いと思うんですけどね。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

意匠法には、公開の代償という意味はほとんど無いんだよね。
だから、秘密意匠があるわけだし。
ただ、額縁の意匠の部品と車の意匠のライトとでは
少し違うと考えることもできますが。

コメント、ありがとうございます。
意匠法にも「公開の代償」の意味はあると思うのですが。
特許法に比べれば低くなるとは思いますが。

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