読書備忘録2013 その8

★「9番目の戦車」 ときたひろし著 PHP研究所
戦車が主人公で、作者は元刑事の異色の絵本。
主人公は、9人兄弟の末っ子である95式軽戦車のタンクローです。
ちなみに次男のタンジ兄さんと三男のタンザブロウ兄さんは「とても強い戦車だったけど、前の戦いでおとりになったまま帰って来ない」のだそうです(絵本なのにシビアだなー)。
そんな9人兄弟が駐留する南の島に米軍が上陸してきて・・・というお話になっています。
絵本的には、戦車の兄弟愛を描いたり、敵戦車との友情が芽生えたりと、押さえることろは押さえてる感じ。
ただ、リアルな描写の戦車が「俺を踏んで乗り越えて行け!」と叫ぶあたり、少年ジャンプっぽいノリです。
機関車トーマスみたいに擬人化すれば良いんでしょうけど、まずはリアルな戦車を描きたかったんでしょうね。
ちなみに定価は1300円ですが、絶版となった現在、プレミア値で取引されているそうです。
ところで、この絵本には旧日本軍の突撃戦車が登場するんですが、ボクはこいつを知りません。
これ、何なんでしょ?

★「ミャンマーの柳生一族」 高野秀行著 集英社文庫
軍政下のミャンマーのルポタージュ。
ミャンマー軍事政府を江戸幕府に、諜報機関を柳生一族に喩えることで、分かりやすく、かつ面白おかしく現状を説明しています。
文章も軽妙だし、この著者は本当に面白い。
ハズレがありませんね。

★「B-29 日本爆撃30回の実録」 チェスター・マーシャル著 ネコパブリッシング
B-29搭乗員の視点から見た日本爆撃の記録です。
余裕綽々で爆弾落としてたと思ってたんですが、割とビビッてたんですね。
親友の乗ってる機体が炎に包まれるのを見て落胆するあたり、ああ、同じ人間なんだな、と思ってしまいました。
しかし、勝者ってのは羨ましいもんです。
あれだけの市民を虐殺しといて英雄扱いですから。
複雑な心情を抱いてしまいました。

★「幕府軍艦回天始末記」 吉村昭著 文春文庫
函館戦争の顛末を描いた歴史小説です。
相変わらず冷徹かつ客観的な筆致ですね。
ただ、他の吉村昭作品と比べると、少し物足りなさを感じました。

これで2013年度に読んだ本は、現時点で小説8冊、ノンフィクション23冊の合計31冊になりました。
漫画は計上しないことにしました。
無駄に数を上げるんで。

読書備忘録2013 その7

★怪しい天守閣(イカロスムック)
★精神を切る手術 脳に分け入る科学の歴史(橳島次郎著 岩波書店)
★超合金の男 (小野塚謙太著 アスキー新書)
★事故物件に住んでみた (森史之助著 彩図社)
★PLUTO (全8巻 浦沢直樹著 小学館)

「精神を切る手術」は結構良かったんですが、他は可もなく不可もなくって感じ。
よって、今回は感想を省略します。
これで2013年度に読んだ本は、現時点で小説6冊、ノンフィクション21冊、漫画40冊の合計67冊になりました。
実は最近忙しくて、感想を書いている精神的余裕がないんですよ。
意匠セミナーのパワポ資料を作ってるんですが、もう150ページを超えました。
半分も作ってないのに・・・完成するんでしょうか?

読書備忘録2013 その6

★ワセダ三畳青春記 高野秀行 集英社
辺境ライターとして有名な著者の青春を綴った自伝(私小説)です。
著者と同じ早稲田出身のボクにとっては、お馴染みだったお店や地名が出てきて懐かしいったらありゃしません。
思えばボクも司法浪人として社会から逸脱した生き方をしてたんですよねー・・・。
この本には司法浪人の変人であるケンゾウさんなる人物が登場しますが、自分と重ねて読んでしまいました。
笑えて、それでいて切ない青春の記録です。
素晴らしい本を読ませて頂きました。

★オカルトの帝国 一柳廣孝 青弓社
オカルトブームを切り口に1970年代を語る本です。
1970年代はオカルトが元気でしたね。
夏休みは「あなたの知らない世界」が楽しみだったし、「恐怖の心霊写真集」や「恐怖新聞」をワクワク、ドキドキしながら読んだもんです。
で、期待して読んだんですが、この本、中身がない(涙)。
着眼点は良いのに、全てが上滑りしてるみたいな。
ちょっとガッカリです。

★ゼロ 片野ゆか 集英社
犬猫の殺処分をゼロにした保健所のノンフィクション。
凄いってことは分かるけど、全ての展開が読めてしまうので、そんなには楽しめませんでした。
ノンフィクションにも意外性が欲しいですね。

★ターン 北村薫著 新潮社
SF? ファンタジー?
タイムスリップのような違うような。
ただ、凝った文体や設定の割りには、どこか甘いところがあり、中途半端な印象。

★未来日記 全12巻 えすのサカエ 角川書店
未来を映し出す日記を持つ12人が互いに殺し合うバトル漫画。
勝ち残った人間は次期の神様になるという設定です。
でも、単純な勝ち抜きストーリーじゃないのがポイントでしょうか?
最後は複雑なんで、丁寧に読まないと混乱します。
割と面白いです。

★人間仮免中 卯月妙子 イーストプレス
本屋さんのおススメコーナーにあったので衝動買いしました。
ほのぼの日常エッセイ漫画だと思ったら、統合失調症を患ってる元AV女優の半生を描いた自伝漫画で、とにかく壮絶な内容。
普通の人が読んだら、ドン引き確実です。

これで2013年度に読んだ本は、現時点で小説6冊、ノンフィクション17冊、漫画32冊の合計55冊になりました。

読書備忘録2013 その5

ファイアフォックス クレイグ・トーマス著 早川書房

映画版は繰り返し見たんですが、原作の小説版は初めて読みました。
オチが違うんで、軽くビックリです。
小説版には、あの有名な「ロシア語で考えるんだ。ロシア語で」がない!
分からない人に説明すると、タイトルのファイアフォックスってソビエトが開発した超高性能戦闘機で、脳波で火器管制システムをコントロールします。
つまり、「ミサイル発射!」って念じると、ミサイルが発射されるんですね。
映画版のラストでは、主人公がパニクってしまい英語で思考しちゃうもんだから、ミサイルが発射されません。
そこに、「ロシア語で考えるんだ、ロシア語で」という天の声が届き、主人公は間一髪のところでミサイル発射に成功するというオチになってます。
ところが、小説版では、主人公は普通にパニクるだけ。
パニック状態の脳波でフレアが誤作動で射出され、そのフレアを呑み込んだ敵機が墜落するというオチなんです。
悪役が、主人公が何気に捨てたバナナの皮で滑って死ぬみたいなギャグ漫画みたいな展開となってます。
娯楽活劇のカタルシスに欠けるきらいがありますね。
くわえて、この主人公、最初から最後まで何もしてないし。
映画版でも小説版でも同じですが、この主人公は、ソビエト人の内通者やスパイに手取り足取り手助けしてもらって移動するだけで、自分でピンチを切り抜けるという能動性が全くないんですよ。
しかも、主人公を手助けした登場人物はほとんど死んじゃうし、ほとんど疫病神です。
それでいて、最後はパニクって瓢箪から駒で勝っちゃうんだから、ヒーローとは言えません。
それを考えると、映画版のアレンジは正解でしょうね。

闇の伴走者 長崎尚志著 新潮社
作者不明の漫画原稿に描かれた未解決殺人事件の詳細な描写をヒントに謎解きするミステリ。
アイディアは面白いけど、技巧に走り過ぎていた感もあり。
そこそこ面白いけど、特におススメできるわけでもないですね。

新聞消滅大国アメリカ 鈴木伸元著 幻冬舎
インターネットにより崩壊しつつある新聞を扱った本です。
新聞の消滅は、政治への無関心を呼び、引いては民主主義の崩壊に繋がりかねないそうです。
ただ、マスコミ側の人間が書いてるので、ちょっと差し引く必要はありますね。
新聞が崩壊しても代替のメディアはあるわけで、民主主義の崩壊は大袈裟だと思うんですが。

被差別者の食卓 上原善広著 新潮社
被差別者の食をテーマにしたルポ。
被差別部落出身の著者が、自分のルーツを求めて世界の被差別者の食事を食べる旅に出ます。
差別そのものではなく、あくまでも食に焦点を当てた点で切り口が斬新でした。
フライドチキンが黒人奴隷の食事だったという事実は豆知識ですね。
白人が食べ残した手羽先や頭をディープフライしたものがフライドチキンの始まりだそうです。

傭兵の2000年史 菊池良生著 講談社
弁理士って、ある意味、傭兵じゃないですか?
だったら、傭兵の歴史を学べば何か得られるかな、と読んだ次第です。
結論、何も得られませんでした。
ただ、結構面白いです。

アイアムアヒーロー 1~10巻 花沢健吾 講談社
ゾンビにより崩壊した日本を舞台にしたパニックホラー漫画です。
現代の日本ではうだつの上がらない主人公が、ありえない状況に直面して大活躍する展開は、大長編ドラえもんのテイストですね。
主人公が凡人という設定なので、非常に感情移入しやすかったです。
ゾンビが日本という舞台に意外とマッチしてたのにも軽く驚きました。
ちなみに完結していると思って読んだんですが、連載継続中だとか。
続きが気になります。

ルサンチマン 全4巻 花沢健吾 講談社
「アイアムアヒーロー」がとても面白かったので、同じ作者の本作を読んだ次第です。
もてない男がバーチャルリアリティーの中の女性と恋愛する話で、設定は凡庸です。
けど、人物が丁寧に描かれていたし、展開や世界観も面白かったので、一気に読んでしまいます。
読後の余韻も中々に味わい深い。
結構面白いんですが、下ネタ満載なので迂闊におススメできません。

ブラックジャック創作秘話 2巻 宮崎克
タイトル通りの漫画です。
1巻もそうでしたが、割と知られたエピソードを漫画形式にしただけです。
構成に工夫もないし。
ちょっと食い足りなさを感じました。

これで2013年度に読んだ本は、現時点で小説4冊、ノンフィクション14冊、漫画19冊の合計37冊になりました。

読書備忘録2013 その3

2000万個売れる雑貨の作り方(日経デザイン編 日経BP)
デザイン関係のビジネス本です。
けど、内容が薄い。
デザイン関係の本って、文章じゃなくて絵で見せるから、どうしても中身がなくなっちゃうんですね。
ちょっと期待外れでした。

なぜあなたの会社にはこれが作れなかったのか?(夏目幸明著 小学館)
企業をヨイショしてるだけで、中身は希薄でした。
もっと1つ1つ丁寧に掘り下げれば良いのに。
惜しい本です。

進撃の巨人 6~9巻 (諫山創著 講談社)
設定が凝っていて面白いです。
巧みな戦術で圧倒的な敵を倒すなど、アイディアも光ります。
ゾンビの世界観に似てるかも。
これはおススメ。

これで2013年度に読んだ本は、現時点で小説2冊、ノンフィクション9冊、漫画4冊の合計15冊になりました。
ちなみに今回は英訳はなしです。

読書備忘録2013 その2

回転寿司の経営学(米川伸生著 東洋経済新報社)

回転寿司業界の内側を特集したビジネス本です。
“安かろう悪かろう”の汚名返上のための数々の努力が書かれていました。
例えば、上ネタの仕入れ。
魚市場に出向いても、売れ残りしか分けてもらえないことも多く、ときには中に入れないことすらあったとか。
そこで、漁師さんから直接に入荷する方式を採用したんだそうです。
漁船が沖合にいる段階で、無線で商談を成立させちゃうとかビックリ!
だから、回転寿司のネタは、高級寿司店よりも新鮮だったりするそうです。
まさに流通革命!
ところで、この本に気になる記述が。
グルメ路線でもなく、低価格路線でもない中途半端な立ち位置の回転寿司は苦戦に立たされている・・・。
これ、弁理士にも言えますね。

ナチを欺いた死体(ベン・マッキンタイアー著 中央公論社)

第2次世界大戦中の奇想天外なスパイ作戦を特集した本です。
偽情報を記載した偽造書類を付けた死体をドイツに掴ませることにより欺く・・・スパイ映画みたいですね。
自殺したアル中の浮浪者の死体を入手し、経歴をゼロからでっち上げ、書類も巧妙に作成しと、ノンフィクションとは思えない展開でした。
それにしても、イギリスは人を使うのが上手です。
この作戦にも、法律家、小説家、発明家、レーサーなど様々な人材が関わっています。
まさに鶏鳴狗盗ですね。

これで今年は、小説2冊、ノンフィクション5冊の合計7冊を読みました。

The business administration of the conveyor belt sushi
Author: Nobuo Yonekawa
Publisher: Toyo Keizai Shinposha

This is a special business book on the inside of the conveyor belt sushi trade.
This book explains many efforts to clean up their negative image “cheap and nasty.”
In the past, when they went to fish markets, they could not buy good fish.
Sometimes, they were ejected from fish markets.
Thus, they buy good fish from anglers directly, not through fish markets.
They buy fish from fishing boats in the offshore in radio communication.
They change the distribution of fish dramatically!
Incidentally, I found an interesting statement in this book.
A belt conveyor sushi shop lacking its individually, such as neither low priced nor high graded shop, is in a tight squeeze.
This can be applied to us.

Operation Mincemeat
Author: Ben Macintyre
Publisher: Chuokoronsha

This is a non-fiction book on an amazing spy operation in World War 2.
This operation is just like a spy movie.
The English intelligence service acquired a body of an alcoholism beggar killed himself, made up a story of non-existent soldier and forged documents containing fake informations----I cannot believe this story is non-fiction.
A British is good at employing a person.
The staffs of this operation are a lawyer, novel writer, inventor and so on.

I read two novels and five non-fiction books.

読書備忘録

最近読んだ本の感想です。

まずは「新世界から」(貴志祐介著 講談社)。
約1000年後の日本を舞台にしたSF小説です。
「猿の惑星」みたいな感じ。
ただ、ラストのどんでん返しは、それほどショッキングでもないような。
分厚いけど一気に読ませる本です。

2番目は「ラギッド・ガール」(飛浩隆著 早川書房)。
これもSF小説。
「新世界から」とかぶっちゃいましたね。
内容は忘れました。

3番目は「中立国の戦い―スイス、スウェーデン、スペインの苦難の道標」(飯山幸伸著 光人社NF文庫)。
歴史ノンフィクションです。
第二次世界大戦中の中立国について手っ取り早く知るには良いけど、ちょっと薄いかな。
可もなく不可もないって感じ。

4番目は「戦艦大和映画大全」(映画秘宝社)。
大和が登場する歴代戦争映画を特集した本です。
この手の本って、ありそうでなかったですね。
大和と戦争映画が好きなら、絶対に読みましょう。

最後は「特撮映画美術監督 井上泰幸」(キネマ旬報社)。
ゴジラなどの特撮映画のミニチュアを製作した人を特集した本。
かな~りマニアックですね。
好きな人にとっては夢のような本だけど、興味ない人にとってはどーでもいー本の典型です。
戦争映画や特撮映画が好きなボクは楽しめました。

さてと、これで今年読んだ本は、小説2冊、ノンフィクション3冊となりました。
年内に100冊が目標です。

The followings are my impressions of books I read recently.

1. “From the New World” (author: Yusuke Kishi publisher: Kodansha)
This is a science fiction novel set in Japan a millennium from now.
This novel is similar to “Planet of the Apes.”
But the surprising ending is not so surprising as “Planet of the Apes.”
Although this book is thick, I read without stopping.

2. “Rugged Girl” (author: Hirotaka Tobi publisher: Hayakawa-Shobo)
This is also a science fiction novel.
I read two science fiction novel in succession.
I do not remember the content of this book.

3. “Battles of neutralized countries---hard ways of Swiss, Sweden and Spain”(author: Yukinobu Iiyama publisher: Kojin)
This book is a non-fiction book about a history.
I think this book is suitable to study the neutralized countries in World War Two, but this book is little thin.
This book is neither good nor bad.

4. “All about the battle ship YAMATO in the movies” (publisher: Eigahiho)
This is a special book about many past movies about the battle ship YAMATO.
If you like the battle ship YAMATO and war movies, you have to read this book.

5. “Art Director of Special Effect Movies, Yasuyuki Inoue” (publisher: Kinema-Jumpo)
This is a special book about the art director of the special effect movies, for example, “Godzilla.”
This book is very enthusiastic.
This is a wonderful book for enthusiasts, on the other hand, this is unimportant book for ordinary people.
Since I like war movies and special effect movies, I could enjoy this book.

I read two novels and three non-fiction books.
I am planning to read one hundred books within this year.

「人体冷凍 不死販売財団の恐怖」 ラリー・ジョンソン (著)、スコット・バルディガ (著)、渡会 圭子 (翻訳) 講談社

アメリカでは、死んだ人を冷凍保存して、未来の超技術で復活させようと目論むSFチックな団体が存在します。
ゴルゴ13の「未来への遺産」でも取り上げていました。
こーゆー団体が普通に存在するアメリカって、実に奥深いですね。
そんなわけで、前々から人体冷凍保存には興味を持っていました。
そこで、この本を図書館で予約して借りたんですが。
カウンターで表紙を見てビックリ。
グロすぎ!
こんな本、電車の中で読めませんよ。
内部告発本ということで内容にも偏りがある気がします。
おまけに、翻訳本にありがちな読みにくい文章や、ダラダラした構成に嫌気がさして、結局、途中で諦めた次第です。
色々と知りたいことはあったんですけどね。
そもそも、こんなことが可能なのかとか(科学者に言わせると、絶対的に不可能らしい)。
また別の機会に別の本を読んでみたいと思います。

「「マルちゃん」はなぜメキシコの国民食になったのか? 世界で売れる商品の異文化対応力」 安西洋之、中林鉄太郎著 日経BP社

ビジネスで異文化に合わせると聞くと、あまり身近なテーマでもなさそう。
でも、平たく言えば、異なった価値観の相手に合わせるってことですよね。
となると、普段のビジネスにも使えそうなんで、読んでみました。

興味深かったのが、キッコーマンがアメリカで醤油を販売したときの戦略です。
「日本食に合いますよ」ではなく、「照り焼きなどの肉料理に合いますよ」で勝負をかけ大ヒットしたとか。
なるほど、日本食とセットではニッチな商品で終わるけど、欧米人の主食に絡めれば大きな市場を見込めます。
キッコーマンの柔軟な発想に拍手です。

あと、アメリカにおけるカップラーメンの仕様変更にも言及があり、目から鱗でした。
アメリカのカップラーメンですが、妙に味が薄いんです。
また、ビーフ、チキン、シュリンプとバリエーションは豊富なのですが、味付けは全て同じだったりします。
この本によれば、妙に味が薄いのは、アメリカ人にとってのカップラーメンは、麺料理ではなくてスープだからだそうです。
日本人にとってのカップラーメンのツユは、麺に味付けするものだから飲み干しません。
けど、アメリカ人にとってのカップラーメンのツユは、スープで飲み干すものであり、そのため味を薄めにしているそうです。
アメリカ人は濃い味つけが好きという思い込みのあったボクにとっては、これは衝撃でした。
よく気づきましたね!
あと、無駄にバリエーションが豊富なのは、宗教に配慮したためだとか。
これも納得です。

ただ、ビジネス書としての体裁を整えるためか、後半の展開が強引でした。
これをされると、妙に説教臭くなると同時に、内容が空回りしちゃうんですよね。

「千年、働いてきました 老舗企業大国ニッポン」 野村進著 角川書店

日本の老舗企業を特集した本です。
日本には創業100年以上の老舗と呼ばれる会社、商店が、10万以上も存在するそうです。
これは世界的に見てもずば抜けた数字だとか。
本書は、なぜそんなに沢山の老舗が存在するのか、なぜそんなに続くのかについて探りを入れています。
著者は、職人を貴ぶ文化、お上を信じる国民性、植民地にならずに済んだ歴史などをその理由として挙げていますが、ボクとしてはもう少し説得力のある説明が欲しいところでした。でも、いろんな企業に取材しているんで、それだけでも十分に面白いですよ。
ちなみに日本の成功している老舗の特徴として、本業の強みを生かして、様々な分野に挑戦する開拓精神があるそうです。
例えば、創業300年を誇る福田金属箔粉工業という会社ですが。
屏風や蒔絵に使う箔や粉の技術を応用して、携帯電話などの精密機器の電気回線に用いる銅箔を生産しているそうです。
「こーゆー使い方もあるんだ!」というイノベーティブさという意味では、アップルに通じるものがありますね。
と言うか、こーゆーイノベーティブさって、かつての日本企業には普通に見られたものだったと思うんですが・・・。
面白い本です。
さくさく読めるし、おススメですよ。